理想のVブレーキ(その5) [エンヂニアりんぐ]
ところで、Vブレーキ台座で商売する訳でもないのに、
こんなに一生懸命図を描いたり計算したりして、何の為にやってるんだ?
・・・なんて自問自答を思わずしてしまいました(笑)。
でもね、トライアルでVブレーキを10年以上使って来た私から見て、
世の中のほとんどのVブレーキが本来の性能をフルに発揮しないまま使われ、
「油圧信仰」により不当な評価を受け、さらにはディスクブレーキの普及により存在感も薄れつつある現状はちょっと嘆かわしい訳です。
というわけで、今回もVブレーキの改良を模索していきます。
今回は計算が多いです。。。でも大丈夫。詳しい計算は記事中は省略しています。
私もエンジニアの端くれですが、機械系ではないので、難しいことは考えず高校物理程度でザックリやってます。
なので間違ってたらご指摘下さい(笑)。
さて、前回(その4)において、Vブレーキの左右の回転軸の軸間距離が100mmであることが問題だと書きました。それをもう少し詳しく数値化して考えてみます。
まず、横から見た場合の、一般的な市販台座と、私の作った台座の位置を確認します。
一般的な台座は、シートステーの中心線から上にオフセットしているので、リムの円弧に沿ってブレーキシューに角度が付きますね。
その分だけ、ブレーキピボットの位置をハブ軸側に後退させて帳尻を合わせているものがほとんどです。
続いて、真上から見た図で、ブレーキアーチとシューの軌道を確認します。
ワイヤーを引いた力(F0)は、テコの関係で倍力されてシューを回転させる力(F1)に変換されますが、ピボットとリム面との距離が大きいとリムを垂直方向に押す力(eF)は少なくなります。
※その代わりに、リム面と平行な方向にシューを滑らせる力が増えます。
これが、ブレーキリリース性に多少影響していると考えられます。
さて、前回(その4)でも書いたとおり、ピボット間距離を減らせば良いんですよね。
理論的には、リム幅(48mm)と同じ幅にしたらeF=F1となるはずです。
では実際に計算してみます。
こうして見ると、スペシャル台座は軸間100mmの時にシューの前後方向で効きの差が無くなっています。一般的な台座は6%程度の前後差が発生しますね。
※ちなみに20インチで計算すると前後差は15%!!もありました。
しかし、ブレーキ力の伝達効率と言う面で言うと、70%程度です。
そうです!30%もロスしているんです!!
さて、ではピボット間距離を減らしていくとどうなるか、、、
ブレーキ効率は向上していきます。しかし、何故か前後差が大きくなっていき、
80mmで5%、100mmではブレーキ効率がほぼ100%になる代わりに、前後差が13%にまで増えてしまいます。。。
前回の記事で軸間を狭くすれば良い!と書きましたが、これはちょっと問題ですね。
ちなみに個人的には、ブレーキには絶対的なパワーよりコントロール性のほうが大事だと思います。
なので、ブレーキ効率が100%になることより、前後差が10%もあることのほうが問題なんです。
(握り込んだ時に、シューの前と後ろで圧縮変形量が違う=効き始めとリリース時の引きずりが出る)
なお、Vブレーキはもともと油圧ブレーキより高いレバー比を持っています。
ブレーキレバーを引く力=1に対して、だいたい9倍位に倍力されます。
※マグラ油圧はだいたい6〜7倍くらいです。
なので、正味のリムを押し付けるパワーが7割くらいになっても、十分なパワーはあります。
しかし、ロスがあると言うのは良くない。
これがスペシャル台座バージョン1の利点と課題な訳です。
しかし、これらの課題を解決するものがあるのです。。。
それは次回以降で。。。(また引っ張る。笑)
こんなに一生懸命図を描いたり計算したりして、何の為にやってるんだ?
・・・なんて自問自答を思わずしてしまいました(笑)。
でもね、トライアルでVブレーキを10年以上使って来た私から見て、
世の中のほとんどのVブレーキが本来の性能をフルに発揮しないまま使われ、
「油圧信仰」により不当な評価を受け、さらにはディスクブレーキの普及により存在感も薄れつつある現状はちょっと嘆かわしい訳です。
というわけで、今回もVブレーキの改良を模索していきます。
今回は計算が多いです。。。でも大丈夫。詳しい計算は記事中は省略しています。
私もエンジニアの端くれですが、機械系ではないので、難しいことは考えず高校物理程度でザックリやってます。
なので間違ってたらご指摘下さい(笑)。
さて、前回(その4)において、Vブレーキの左右の回転軸の軸間距離が100mmであることが問題だと書きました。それをもう少し詳しく数値化して考えてみます。
まず、横から見た場合の、一般的な市販台座と、私の作った台座の位置を確認します。
一般的な台座は、シートステーの中心線から上にオフセットしているので、リムの円弧に沿ってブレーキシューに角度が付きますね。
その分だけ、ブレーキピボットの位置をハブ軸側に後退させて帳尻を合わせているものがほとんどです。
続いて、真上から見た図で、ブレーキアーチとシューの軌道を確認します。
ワイヤーを引いた力(F0)は、テコの関係で倍力されてシューを回転させる力(F1)に変換されますが、ピボットとリム面との距離が大きいとリムを垂直方向に押す力(eF)は少なくなります。
※その代わりに、リム面と平行な方向にシューを滑らせる力が増えます。
これが、ブレーキリリース性に多少影響していると考えられます。
さて、前回(その4)でも書いたとおり、ピボット間距離を減らせば良いんですよね。
理論的には、リム幅(48mm)と同じ幅にしたらeF=F1となるはずです。
では実際に計算してみます。
こうして見ると、スペシャル台座は軸間100mmの時にシューの前後方向で効きの差が無くなっています。一般的な台座は6%程度の前後差が発生しますね。
※ちなみに20インチで計算すると前後差は15%!!もありました。
しかし、ブレーキ力の伝達効率と言う面で言うと、70%程度です。
そうです!30%もロスしているんです!!
さて、ではピボット間距離を減らしていくとどうなるか、、、
ブレーキ効率は向上していきます。しかし、何故か前後差が大きくなっていき、
80mmで5%、100mmではブレーキ効率がほぼ100%になる代わりに、前後差が13%にまで増えてしまいます。。。
前回の記事で軸間を狭くすれば良い!と書きましたが、これはちょっと問題ですね。
ちなみに個人的には、ブレーキには絶対的なパワーよりコントロール性のほうが大事だと思います。
なので、ブレーキ効率が100%になることより、前後差が10%もあることのほうが問題なんです。
(握り込んだ時に、シューの前と後ろで圧縮変形量が違う=効き始めとリリース時の引きずりが出る)
なお、Vブレーキはもともと油圧ブレーキより高いレバー比を持っています。
ブレーキレバーを引く力=1に対して、だいたい9倍位に倍力されます。
※マグラ油圧はだいたい6〜7倍くらいです。
なので、正味のリムを押し付けるパワーが7割くらいになっても、十分なパワーはあります。
しかし、ロスがあると言うのは良くない。
これがスペシャル台座バージョン1の利点と課題な訳です。
しかし、これらの課題を解決するものがあるのです。。。
それは次回以降で。。。(また引っ張る。笑)
2016-02-13 11:24
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